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「DIVと私」 第8話

「フィッシュアイ」を創業後、4年ほどの間は、ヨドバシカメラ店員、大型車両の運転代行、週末インストラクター、といった稼ぎのための兼業に加えて、雑誌のフリーライターを続けていました。あるとき「月刊ダイバー」の別冊企画で「ものづくりの達人」という企画があり、私は手作りハウジングメーカーとしてある意味好対照な印象を持っていた「JUNON」の小野沢さんと「DIV」の工藤さんの「ものづくり哲学」を取材させていただくことになりました。今は亡きJUNONハウジング製作者の小野沢さんは、当時現役の工業デザイナーで、生み出されるハウジングも美しく、機能的で、プロ御用達の「高いけど欲しい!」ハウジングNO.1。対して、我らがDIVの工藤社長を取材させていただくにあたり、ふと「あの方のものづくりに“こだわり”があるんだろうか?」などとふと心配になってしまった。取材のアポイントをお願いした際に、「こだわりについて語って頂きたいんです」と伝えると、「ハウジングなんてのはただの箱なんだから、簡単に作って、簡単に使うってのがこだわりっちゃあ、こだわりなんだけどね」とお答えいただいていた。不安をかかえたまま池袋に転居していたお店をたずねました。すると、突然「俺のものづくりのルーツを取材するんなら、ここにはそれはないんだ。今から良かったら赤沢の工房に行かない?」とのこと。すでに午後3時くらいだったでしょうか。妻との食事の約束を思い出した私は、「夕方7時ごろまでに都内に戻れるでしょうか?」と伺い、「それは無理だから、じゃあここでやりますか・・」という展開を期待しました。ところが「いやいや、私のルーツというかこだわりを説明するのに、1時間や2時間ここで話したって、理解できないよ。赤沢に来れば一目瞭然なんだけど?」と引くに引けない雰囲気。「そうですか!じゃあ、とりあえず着替えを取りに戻って、夜に再度お邪魔してご一緒するということでは・・・?」との変化球も「大丈夫、大丈夫。ふとんや着替えは何か適当にあるから!」とかわされ、逃げられず。清水の舞台から飛び降りるつもりで「わかりました。ではよろしくお願いします!」。こうして、工藤社長と伊豆へのちょっと不思議なドライブが始まりました。(つづく)

DIV HANDS 臨時店長 大村謙二

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